ロコガイド テックブログ

「地域のくらしを、かしこく、たのしく」する、株式会社ロコガイドの社員がいろいろな記事を書いています。

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会議を生産的に行うための3つのコツ

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こんにちは。取締役CTOの前田です。皆さん日頃会議は行っていますでしょうか?
意思決定を行うため、知見を持ち寄って最善策を見出すため、情報共有して認識を揃えるため、様々な場面で会議は日常的に行われているのでは無いでしょうか。

会議は複数の人が関わって成り立ちます。「会議にかかるコストを考えましょう」とはよく聞く言葉ですが、それでも多数の会議が開催されるのはそれだけ企業活動において会議が重要な位置づけを持つからです。
もちろん無駄な会議は減らすべきですが、開催する会議の生産性を高めることはそれ以上に重要です。
私は職務上会議への参加 / 主催共に多いのですが、たくさんの人が関わる会議を良い時間にするため、より生産的に行うためにたくさんの試行錯誤を重ねてきました。
今日は私が試行錯誤を重ねたものの中から、重要なポイント3点をご紹介します。

1. ゴール、アウトプットを明確に

まず最初に参加者が会議のゴールを共有できていることが何よりも重要です。
参加者の背景や目的意識が揃っていない状態で議論が始まると、何を意図した発言や意見なのか、受け取り手や発言者が見失ってしまい議論が発散してしまいがちになります。
意図した発散プロセスであればもちろん構いません。ただし、制御されていない発散はともすれば言い争いのような空気を生み、会議の生産性を大きく落としてしまうことに繋がりかねません。

会議参加者の思考エネルギーを集中させることで、コラボレーションによる思ってもみなかったゴール、成果にたどり着く事ができます。
そのためには、目的を揃え「皆で同じゴールに向かえるよう思考を回し続けること」が重要です。

では、良いゴールを定めるためにはどのようにすればよいのでしょうか?
私の経験上「その会議の次に繋げるために作るべきアウトプットは何なのか?」を自問自答することで良いゴール設計ができることが多いです。
例えば、「サービスの新規登録完了率を向上させたい」という目的を持った開発チームがいたとしましょう。このチームは達成したい目標は定まっていますが、どのように歩みをすすめるべきかがまだ不透明で誰もイメージできていません。
その場合に、ざっくりと「施策を決める」ことをゴール設定して会議を主催したときにどうなるでしょうか。
取り扱うドメインに対して既に詳しいチームであれば、サービスが抱える課題やユーザー特性、現在の指標の状況などをその場で議論して合意を得るところまで進めることができるでしょう。
しかし、その逆で組成されたばかりのチーム。サービスが抱える課題や、ユーザー特性、現在の指標の状況など、現状認識が揃っていないチームで会議を開催するとゴールに到達しないまま会議が終了するリスクが高くなります。
この場合は、「新規登録プロセスの課題が見えるカスタマージャーニーマップ」をアウトプットとして定め、まずは課題認識を揃えるというゴール設定にするのも良いでしょうし、他社サービスの新規登録プロセスを体験しながら、「私達が良いと思う新規登録プロセスと、その理由をブレスト結果としてまとめる」ことをアウトプットとするのも良いでしょう。

一口にゴールを定めると言っても、設定のしかたは様々です。
ゴールの定め方にたくさんの選択肢が存在する中で、会議に最適なゴールを見定めるためにはどのように考えるといいでしょうか?
そのためには次にお話する「会議の中でのゴール達成イメージを明確に持つこと」が重要になります。

2. ゴールの達成イメージを明確に持つ

ここまで述べたように、会議を成功させるためには「良いゴール設定」が重要です。
では良いゴールとは何でしょうか?私は「到達可能性があること」と「最終目的まで最大限前進すること」の2つが重要です。

まず、「到達可能性があること」に関してです。
最終目的地に近い理想的なゴールを定めたとしても、会議の中で到達が到底難しいゴールを定めてしまうと会議の成果物はゼロになってしまいます。そのため、まずは会議の中で十分にゴールに到達する可能性があることは大前提として重要です。
しかし、あまりにも簡単なゴールを定めてしまうと今度は何も前進しないまま会議が終わってしまうことになりかねません。
あまりに簡単なゴールの設定を防ぐために、2つめの基準の「最終目的まで最大限前進すること」が重要です。会議の実施で最終目標を達成できればそれに越したことはないでしょう。

しかし、この2つの基準はそれぞれ相反するものです。
この基準がちょうどよい緊張関係をもつゴールを設定するためには、「会議参加者でゴール達成するイメージを持つことができるか」を自分自身に問いかけることをおすすめします。
この問に対しての解答はロジカルなものでも感覚的なものでも構いません。少しストレッチをするくらいのゴールを設定しましょう。簡単すぎず、ストレッチ過ぎないゴールを設定する事が重要です。

ここまでゴール設定についてお話をしましたが、ゴールを設定するだけでは到達の方法がありません。
もう一段、会議設計の解像度を上げるための最後の要素を次にお話します。

3. 必要な要素を洗い出し、ステップ化すること

「ゴールに到達するまでの必要な要素を洗い出し、ステップ化すること」が3つめのポイントです。
会議の冒頭でゴールを説明されただけでは、どのような道筋で到達するのかを参加者ですり合わせることができません。
最後の段階の準備として、ゴールに到達するまでの登山経路、中間チェックポイントを定めましょう。

例えば「サービス課題を抽出して次の機能設計につなげること」をゴールとし、「新規登録プロセスの課題が見えるカスタマージャーニーマップ」をアウトプットする会議を設計する場合には、

  1. 新規登録プロセスのユーザー行動を分解し、ステージとして定義する
  2. 会議参加者が感じるGoodポイント、Badポイントを洗い出し、ユーザーの感情と定性的データとしてまとめる
  3. 最後に定量的データをマッピングし、Badポイントを中心として課題の優先度を設定する。
  4. この時に課題度合いをプランニングポーカーの手法を用いて、参加者の意見差分を抽出しながら設定する
  5. 最後に施策立案につなげるための宿題をそれぞれ持ち帰る

というプロセスが一案として上げられるかと思います。
事前にプロセスを明示することで、後工程を意識した議論や意見表明を促進する効果もあり、参加者がどのように会議に貢献するべきかが定まりやすくなります。

ここまで分解すると生産性の高い会議の入り口に立つことができているのではないでしょうか。

最後に

いかがでしたでしょうか。ここまででお気づきの方もいらっしゃるでしょうが、今回お話したことは「会議の目的を明確にし、アジェンダを設定すること」という基本的な要素です。
この基本的な要素をどれだけしっかり抑えることができるかが重要なポイントになります。
もちろん、上記3点以外にもファシリテーションのテクニックやプロセスなど、工夫ポイントはたくさんありますが、まずは上記3点をうまくワークさせることで会議の品質や生産性を向上させることができるはずです。

リモートMTGの増加によって、ファシリテータが持つ役割は大きくなりました。1対1コミュニケーションの集合になりがちな環境下で、いかに会議の準備を綿密に行うかによって成否は大きく変わってきます。
会議の設計や準備は大変な作業ですが、なれると準備する速度も上がりますし、アドリブ力も徐々についてくるものです。
会議設計について経験がない方は、まずは小さな会議から、設計してファシリテーションにチャレンジにしてみてはいかがでしょうか。あなたの貴重なスキルの一つとなってくれるはずです。