ロコガイド テックブログ

「地域のくらしを、かしこく、たのしく」する、株式会社ロコガイドの社員がいろいろな記事を書いています。

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プロダクト開発に関わる人は今すぐ注文住宅を建てるべき

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こんにちは、はじめまして。無人島に持っていきたいジャオは青花椒、プロダクトマネージャーの森人です。小売企業向け・ユーザー向け幅広くプロダクトの企画に携わっており、直近では「混雑ランプ」の開発ディレクターを担当していました。

アドベントカレンダー20日目の今日は少しばかり趣向を変えて、家づくりの話をしたいと思います。プロダクト開発とつながることがとても多いと感じているので紹介していきます。

住む環境と働く環境の接近

言うまでもなく今年は新型コロナウイルス感染拡大による環境変化が重大トピックであり、それは弊社にとってもこれをご覧いただいている皆様にとっても変化が求められた大きな出来事だったかと思います。

特にテレワーク・リモートワーク、この期間においては「在宅勤務への対応」がさまざまな方の生活に影響を及ぼしたことでしょう。

プライベート・くつろぎの象徴である自宅が、作業や会議など、フォーマルな空気を急速に帯びた一年でした。Wi-Fi環境を整えたり、カメラ位置を工夫したり、模様替えをしてワークスペースを整えたりした方も多いと思います。

弊社でも3月下旬からフルリモート体制になり、「各人の自宅の、働く環境の整備」が急務となったことからSlackや社内Wikiで活発に情報発信がされました。

当ブログでもリモートワークに関わる記事をいくつか掲載しているのでぜひご覧ください。

我が家の住環境

我が家でも夫婦二人それぞれでリモートワークが開始されました。 はじめのうちは新鮮さからか楽しめる瞬間も多いですが、働く上では気になることも出てくるものです。

  • 片方ないし両方がオンライン会議をしているとうるさくて集中できない(主に私が言われる)
  • 机と椅子が仕事に向いておらず、肩や腰にダメージが溜まっていく
  • 片方退勤済みで、片方残業中だと、お互いに気を遣ってくつろぎづらい&集中しづらい

などなど…

お子さんがいるご家庭にはまた別の問題があるとは思いますが、我が家の場合は現在の住まいである賃貸マンションの居室の狭さに起因する問題が多かったので、引越し、そして数年前から目論んでいた家づくりを決意したのでした。

(ちなみに椅子はさすがに限界だったのでオフィスチェアを二脚新調しました。)

どのような家に住むのか

タイトルからお察しの通り、我が家では注文住宅の購入を決定しました。

住宅の形態に関する選択肢として、

  • 賃貸か、持ち家か
  • マンションか、戸建てか
  • (戸建てなら)建売か、注文住宅か

と重要な分岐点がありますが、我が家は自由度がとにかく高い注文住宅を選択しました。 このあたりには一家言ありますがこの記事で語りたいことではないので割愛させていただきます。

(ここに期待して読み始めた方、ごめんなさい!)

何を決めるのか

ようやく本題です。

注文住宅とは一般的に「注文をしてから建て始める住宅」であり、施主の希望を多分に盛り込んだオーダーメイドで建てられるものです。

家づくりの話をするとよく聞かれることがあります。

「何をどこまで決められるんですか?」

はい、(ほぼ)全部です。思いつくことも思いつかないことも大抵決められます。 建設地、工務店/ハウスメーカー、間取り、棚の寸法、建材、コンセントの位置などなどなどなど…

無数にあるためここでは書き切れないのですが、実際に私がぶつかった意思決定事項をいくつか挙げてみます。

  • どの土地に建てるのか
    • 価格、駅や職場からの距離、周辺環境、災害の影響度など、1日の生活パターンから数十年後の暮らしまで影響する要素がたんまり
      • バランスのとれた土地はなかなか見つからない…
  • どの工務店/ハウスメーカーに依頼するのか
    • 工法や技術力の違い、それらによる間取りの自由度、デザイン性、価格帯などが異なる
  • 子ども部屋を何部屋つくるのか
    • 間取り決定時点で数十年後の未来を想定しておかなければならない
    • 我が家では妻と二人でライフプランの作成をしながら検討を重ね、柔軟に対応できる間取りにした
  • 造作家具の寸法
    • そこに何を置くのか、使うのはどのようなシチュエーションか、それらによって使いやすい設計はどのようなものかを考える必要がある
    • 自分たちが所有している&今後所有するであろう物品の数・寸法を確認した上で、使いやすい配置を決定
  • コンセントの位置と数
    • 公私共に快適に過ごす上でとても重要
      • 新築なら一口数千円で追加できる!
    • リビングなどの移動せずにくつろぎたい場所や電子機器が集まる場所は特に重要

ここに挙げていないことも含めて、幾度となく家族会議や工務店との打ち合わせの上、基本は合理的に、ときに感覚的に実際の仕様に落とし込んでいきます。

制約もたっぷりです…

決められることもたっぷりありますが、もちろんさまざまな制約もあります。

  • 建設予定地の地理的な制約
  • 消防法や建築基準法などの法律
  • 可処分所得
  • (将来も含めた)子どもや車の有無などのライフスタイル

などなど…

外的要因も内的要因も無数にある中で、何を優先するのか・何を妥協するのかを意思決定しながら、いかに自分たちが暮らしやすい住まいにするかを作り上げていくものなのです。

注文住宅はプロダクト開発そのもの

お気づきでしょうか、なんだかプロダクト開発に似ていませんか?

予算を握るのはあなた、プロダクトオーナーはあなた、ユーザーはあなたなのです。 あなた自身の約1年後〜数十年後の暮らしを豊かに保つプロダクトにしなければなりません。

仮にあなたがオーナーを務めるプロダクトがあるとして、比較してみましょう。

家づくり プロダクト開発
あなた お金を出す人 会社やクライアントやあなた
あなた プロジェクトオーナー あなた
あなたや設計士 要件/仕様を決める人 あなた
工務店やハウスメーカー 作る人 社内外のエンジニア/デザイナー等
あなたとあなたが同居する人 ターゲットユーザー そのプロダクトのユーザー
あなたの可処分所得(のうち住居にあてられる金額) 予算 プロジェクトにあてられた予算
あなたとあなたが同居する人のQOL KPI 売上やユーザー満足度など

事業であるプロダクト開発との違いはあれど、実際に仕事でプロダクト開発を、プライベートで家づくりを経験してみて、何を目指してどのような行動をとるのかに共通点が多いと私は強く感じました。

前述の決定事項たちも私の脳内ではこんなふうに変換されています。

家づくり プロダクト開発
どの土地に建てるのか どのプラットフォームにサービスを出すのか
どのページにその機能を実装するのか
どの工務店/ハウスメーカーに依頼するのか どこの開発会社に発注するのか
どのメンバーをアサインするのか
子ども部屋を何部屋つくるのか 新規&既存ユーザーの快適なUXを実現するサービス構造はどのようなものか
造作家具の寸法
コンセントの位置と数
表示要素の配置やあしらい

例えば、コンセントの配置を考える際、

  • ユーザーストーリー ≒ いつ誰がどのような用途でそれを使うことを想定しているのか
  • 遷移図 ≒ 図面上にいくつかの生活導線を描いたときにどのような配置だと望ましいのか
  • UI/UX ≒ 利用シーンにおいて何口必要か、高さやデザインとして適切なものは何か

といった情報をまとめてから検討を開始しました。

このように、対象がスマートフォンやPCの画面から住居空間に置き換わっただけで、プロダクト開発と同じような過程で仕様を固めることができます。

プロダクト開発におけるプロセスと、注文住宅の仕様を決めるそれとが極めて近しい思考をしていることを感じていただけると嬉しいです。

どうやって決めるのか

さて、ここまで家づくりとプロダクト開発の共通点についてみてきました。

最後に、家づくりの過程でプロダクト開発で使っているツールや知見がとても活きたので簡単に紹介します。

  • Gmail
    • 工務店との連絡に使用
    • フィルタやラベルで整理しておくと管理も簡単
  • Googleドライブ
    • 夫婦間での資料共有や共同編集に使用
    • 工務店から送られてくるPDFの見積書や後述のドキュメントやスプレッドシートなど、資料がどんどん増えるのでドライブに限らずクラウドに置いておくと便利
  • Googleドキュメント
    • 自分たちが要望する仕様を忘れずに伝えきるために使用
    • 工務店選びの際は初回の打ち合わせで印刷して持参する
    • 工務店が決まってからはアップデートしながらコミュニケーションをとる
  • Googleスプレッドシート
    • 住宅ローンの選定などお金が関わること全般の計算に使用
  • Google meet
    • 工務店とのオンライン打ち合わせに数回使用
    • 対面で深く話をしたほうがいいフェイズもあるので使い分けが吉
  • Trello
    • 家庭内でのタスク管理に使用
    • 引越しのタイミングまで含めると忘れちゃいけないタスクが軽く100を超えるので…
  • Figma
    • 間取りや造作家具のイメージを伝えるために使用
    • 間取り決定後はコンセント・照明・スイッチの位置を伝える際にも大活躍!
  • Skitch
    • 図面へのフィードバックをライトかつピンポイントで行いたいときに使用
  • KPT法
    • 着工までの振り返りに使用
    • 担当の営業・設計士を誘って、先方の会議室で振り返り会を実施

「考えてもらってから決める」という選択も

念のため補足しておくと、多くの要素を設計士やインテリアコーディネーターにお任せして、自分たちはジャッジだけするような進め方もできます。

しかしながら「自分たちの暮らしに最もフィットする住まいとは何か」を何十回何百回と思考して、ディテールをひとつずつ決めていくプロセスはきっと面白みに溢れていて代えがたい体験になります。

プロダクト開発をなりわいとしている皆さん、注文住宅で最高のプロダクトを作ってみませんか?

気になったあなたに

ロコガイドでは暮らしやUXにとことんこだわるプロダクトマネージャー、エンジニアを欲しています。 これから家を建てたい方のお悩み相談も承るのでぜひこちらからご連絡ください!

明日はVPoE小川の記事を公開予定です!お楽しみに!