はじめまして。企画開発の亀岡です。
昨年の入社以来、トクバイサービスをご利用いただいている企業向けのレポートや分析を担当しています。
さて、この3~4ヶ月は生活が様変わりした方も多いのではないでしょうか。
トクバイは日々のくらしにおけるお買い物情報を通じて生活者と小売事業者をつなぐサービスを運営しています。
そのような立場にあるトクバイだからこそ発信できる情報があるという思いから、 この4月以降、短期間で複数回のアンケート調査を実施しました。
今回はその経験を通じて学んだ「情報発信までのプロセス」や「大切だと思ったポイント」についてお伝えします。
まず最初に!大切な心がけ
調査を実施するときには、広くシェアをしよう
- ユーザーやクライアントから声を聞くことは貴重な機会です
- 無計画に好き好きに行なうのではなく、声を掛け合って適切なタイミング・頻度で実施することが大切です
調査結果をアウトプットし、広くシェアをしよう
- ユーザーやクライアントからの声を会社としての知見・財産にしましょう
- コンテンツ化、社内ブログに掲載など形として残すことが大切です
ぜひ自分自身にも言い聞かせ続けたいですね。
アンケート調査のプロセス
大きなプロセスは以下の通りです。
- 調査の骨子を作成する
- タスクとスケジュールを作成する
- 調査票を作成する〜実査する
- 集計・グラフ作成をする
- 調査レポートを作成する
- 展開する
以降からそれぞれについて記していきます。
1. 調査の骨子を作成する
まずは以下のことを整理していくと明確になると思います。いわゆる 5W1H 的なことです。
- 調査テーマ:何について?
- 調査時期:いつ?
- 調査対象:誰に対して?
- 調査手法:どのような方法で?
- 調査の背景:どのような仮説をもとに?
- 調査の目的:何のために?
- ストーリーライン:調査をもとに伝えたいメッセージは?
- アウトプット:どのような成果物か?
また、この調査が実施に値するかの品質基準をチェックするために、 以下の全部、もしくは複数が満たせているかが大事なポイントだと思います。
- 調査テーマに「独自性」があるか
- その会社・サービスならではの情報である方がより価値が高い
- 調査テーマに「必然性」があるか
- サービス開発やクライアントへの価値提供に直結する方がより価値が高い
- 調査時期に「必然性」があるか
- 時事問題など、ホットなタイミングでの実施の方がより価値が高い
- 調査結果に「流用性」があるか
- クライアント向け、メディア向け、ユーザーサービス改善など、多方で活用できる方がより価値が高い
2. タスクとスケジュールを作成する
スケジュールや役割分担を最初に明確にしておくとその後のプロセスがスムーズです。
流れ
- タスク、スケジュールのたたきを作成する
- 関係者で集まってタスク、スケジュールに問題がないかを確認する
- 必要に応じて調整をする
- 各タスクでボールが落ちないように担当を明確にする
ポイント
適材適所で、例えば以下の★のように役割分担をするとスムーズに進行することができました。
- 全体アドバイス・サポート(★起案者の上長:部長以上のレイヤー)
- 調査骨子の作成(★起案者)
- アンケート
- 調査票作成(★起案者 & サポートメンバー)
- 集計・分析(★起案者 & サポートメンバー)
- コンテンツ、調査結果のサマリー
基本的には作成するコンテンツ、調査結果のサマリーの接点に最も近い部署が責任を持つのが良いと思います。例えば以下の通り。- クライアント向け(★カスタマーサクセス担当)
- PR向け(★PR担当)
- ユーザーサービス開発向け(★プロダクト開発部)
- 新規顧客獲得向け(★マーケティング部)
3. 調査票を作成する〜実査する
このプロセスでは、調査の骨子がしっかりと作れているかどうかが問われます。 どうもうまくいかないなと思う場合には、もう一度調査の骨子に立ち戻ってみるのもありだと思います。
流れ
- 調査骨子の内容に沿って調査票のドラフトを作成する(Googleスプレッドシート等を用いる)
- ドラフト作成後、以下の観点で複数の目でチェックし、内容をFixさせる
- 骨子の内容が満たされているか
- 設問の構成は適切か
- 内容や選択肢に重複や不足がないか
- 順番によって回答内容にバイアスがかからないか
- 設問の仕方は適切か
- いずれかの回答や選択肢に偏るような聞き方をしていないか
- 誤字脱字はないか
- アンケートフォームにて調査票を作成する(当社では Googleフォームを使うことが多い)
- トクバイアプリの所定の位置にアンケートバナー掲出するために社内担当に依頼する
- 掲出がされれば実査開始され回答が集まりはじめる
4. 集計・グラフ作成をする
集計・グラフ作成については色々なやり方があるため、流れの詳細は割愛しますが、 以下のケースに応じて適したやり方を利用するのがよいと思います。
単純集計で回答の傾向をつかみたいケース
- Googleフォームに備わっている自動集計グラフを確認
クロス集計でより深い傾向をつかみたいケース、グラフのビジュアルをカスタマイズしたいケース
- ExcelまたはGoogleスプレッドシートを使って集計、グラフ作成(設問数:10~20問程度)
- アンケート集計ツールを使って集計、グラフ作成(設問数:20問超)
当社では後者のケースが多いため、Excelを利用することが多いです。
5. 調査レポートを作成する
調査結果をアウトプットとして残すことが大切だということは冒頭でお伝えしましたが、 以下の構成に従って作成していくと比較的まとまりやすいと感じています。
レポート構成
- 調査・分析設計
- Executive Summary
- 調査結果のサマリー。最も特徴的で強調したい部分をフィーチャーしてまとめる
- 調査の骨子作成の際のストーリーラインが明確であればスムーズ
- 結果詳細
- 各調査・分析結果の詳細についてコメントを入れる
- 憶測や推定はできる限り排除し、客観的な事実をコメントするのが基本
- 結果からの示唆、提案
- 結果を元にしたサービス紹介や当社からの提案内容を盛り込む
6. 展開する
こちらも冒頭でお伝えしましたが、調査結果をしかるべきところに広くシェアすることが大切です。
- クライアント向けであればクライアントに向けて
- PR向けであればPRに(PR会社を通じて各メディアに)
- 社内に向けて(調査結果は会社の貴重な知見・財産なのでできる限りオープンな場で)
展開した先で価値が認められれば、複数のメディアで取り上げられるなど嬉しい結果も得られます。
- 日本テレビ「news every.」で新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)買い物影響レポートの調査結果が紹介されました | 株式会社ロコガイド
- 小学館「@DIMEアットダイム」にて、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)買い物影響レポートの調査結果が紹介されました | 株式会社ロコガイド
- NHK「NEWS WEB」にて、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)小売店対策緊急アンケートレポートの調査結果が紹介されました | 株式会社ロコガイド
- クライアントから「参考になる!役立つ!」とのお声も多数いただける
最後に
この数ヶ月で携わったアンケート調査は、私にとっても非常によい経験になりました。 調査を通じて学んだのは独自性の高い調査結果を適切なプロセスでまとめ、適切な方法で広めると大きな価値や力になりうるのだということです。 引き続きこういった調査を価値として積み上げていかれるようにしたいと思います。