こんにちは! id:ar_tama です。主にバックエンドエンジニアを担当しています。
今回は今までのエントリとは少し趣向を変え、「エンジニアリング以外のスキルセット」を主題に、筆を執ってみようと思います。
求められるスキルの多様化
2018年に中途入社したわたしの、トクバイに対する驚きの一つが「この組織、エンジニアがめちゃめちゃボールを拾うな〜!」でした。
エンジニアが要件がフンワリした状態からアサインされ*1、技術・非技術の垣根なしに、その要件の本質を捉えた議論がメンバー間でなされるさま(例)に、効率の良さだけでなく、エンジニアメンバーがいわゆる一般の「エンジニアリング」にとどまらないスキルを持っていると感じたことを、今でも覚えています。
さて、いくばくかの例外を除き、会社に属しチームでプロダクトを作り上げるということを生業にするということは、個人でのそれとは比べ物にならない「接点」が多く存在すると言えるかと思います。
このような接点をいかにうまくつなぐか、またいかに「越境」するかという点において、サービス開発に携わる方なら誰しも一度は思いを馳せたことがあるのではないでしょうか。
というわけで、会社の雰囲気のご紹介も兼ね、
- トクバイエンジニアが備えている周辺スキル
- 個人的にあると便利だと思う、エンジニアリングを助けるスキル
についてご紹介してまいります。
トクバイエンジニアが備えている周辺スキル
コミュニケーションスキル
他職種の人から「トクバイのエンジニアはコミュニケーションが取りやすくて助かる」と言われるさまを、たびたび目にします。
以前「出社には雑談できるという価値がある」というようなツイートを目にしたことがありますが、トクバイのメンバーも基本的に会社には「対話の上で決めごとをするために出社している」という人が多い印象です*2。
一方で、集中して作業しないと進まないタスクがあることも事実です。そんなときは周囲へお知らせした上で、Slackを終了したり、リモート作業に切り替えたりなどと、各々はかどる方法で対応しています。
こうした柔軟な働き方ができるからこそ、いかんなくコミュニケーション力を発揮できているのかもしれませんね!
エンドユーザーに向き合った設計スキル
ある一定以上のレベルのエンジニアであれば当たり前なのかもしれませんが、ステークホルダーから要件を適切に引き出し、技術要件に落とし込むまでのスピード感とその精度が高いと感じています。
そしてその上で、本当に届けるべき相手やその価値について、さまざまなアプローチの提案ができることを理想としています。
おそらく過去エントリからもその気概を感じていただけるのではないでしょうか。️
これらが自然になされているために、トクバイ内でのエンジニアに対する認知は「要件に沿って開発する人々」ではなく、「技術的な観点を軸足に、解決すべき課題を一緒に掘り下げられる人々」といったものになっているのではと思います。
各専門分野に対し「越境」が叫ばれる昨今で、このような動きが自然に行われているというのはとても素敵な環境ですね😎
エンジニアリングを助けるスキル
そのほか、個人的に習得したエンジニアリング外のスキルのうち、特に役に立ったと感じているものをご紹介します。
プロジェクトマネジメント
小さな粒度のプロジェクトや、エンジニアリングがメインとなる案件だと、ディレクターの力を借りずにエンジニアのみで案件を進めることもしばしばあります。
一人で完結するものであればマネジメントの必要性はありませんが、そういうケースはあまり多くありません。
個人的には自分やみんなが走りやすいよう整地をするイメージでやっていて、意外に助かりどころの多いスキルでもあります*3。
また、プロジェクトの立ち上げ期など、プロトタイピングまでに待ちフェーズが発生するような状況では、
ディレクターにはプロダクトそのものの青写真を描くことに集中してもらい、一時的に切り盛り部分を受け持つなどの動き方もしています。
具体的にはこんなことをやっています:
- セクションをまたいだスケジューリング
- 自分以外の人の進捗状況も加味したスケジュール立てと、その進捗管理・交通整理
- ファシリテーション
- 会議体の設定・運営、事前準備、事後ケア
- As is と To be の明確化
- みんなの現在地と、プロダクトマネージャが指し示すゴールとの差分の見える化・TODOの具体化
- その他
- ドキュメンテーション
- プレゼンテーション
UI・UXデザイン
クオリティは本職のデザイナーに及ばずとも、サブウェポンとして、完成図を「なんとなく」形にできる=俎上に載せられるモノがあると、
- チームでの認識を素早く正確に揃えられる
- 言葉でのまとめだと受け取るイメージに差異があり、手戻りが大きくなりがち
- デザイン観点での要件の不整合に早めに気づき、修正をかけられる
などのメリットがあり、仕事でも趣味プログラミングでも割に助かるおトクなスキルです。
※ ここでは大まかなユーザー体験の設計や、各媒体(アプリ・Web・その他)の文法に合わせたベーシックな画面設計のスキルを指しています
おわりに
エンジニアが、いわゆる技術的な課題だけでなく、もう少し広い視野での課題をも「エンジニアリング」できるようになることで、世界はより良くなると信じています!
本稿が、新しい発見や課題の打破の緒を皆さんにおすそ分けできていたら、とても嬉しく思います。
最後に宣伝!
昨年になりますが、前号のWEB+DB PRESS Vol.108にて、エッセイを書きました*4。
他の特集もとても読み応えのあるものばかりですので、ぜひご覧ください!