ロコガイド テックブログ

「地域のくらしを、かしこく、たのしく」する、株式会社ロコガイドの社員がいろいろな記事を書いています。

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在宅勤務への移行プロセスと課題への取り組み

取締役CTOの @takatoshi-maeda です。

弊社では在宅勤務(リモートワーク)を従来より、一部で活用していました。 しかし今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大に伴い現在は原則として全従業員在宅勤務体制に移行しており、緊急事態宣言が解除された現在でも弊社は6月いっぱいまでは全社原則在宅勤務体制を継続としています。 対面コミュニケーションの利も大きいため今後出社日を設けることも検討していますが、事業継続の観点からも在宅勤務環境での生産性の維持/向上は今後の必須要件となるでしょう。

この記事では、私達が全社在宅勤務に移行するにあたって直面した課題、そして対応策についての事例をご紹介します。 同様の困りごとに直面している方の助けになれば幸いです。

従来の在宅勤務環境

前述したように、弊社では従来より在宅勤務を各チーム/個人の裁量において実施していました。 業務に必要なツール群や設備に関してはGSuiteやSlack等のインターネット経由で利用するSaaSがほとんどを占めています。一部ネットワーク制限をかけているシステム群がありますが、利用する場合にはVPNを提供しているため、自宅回線からも基本的な仕事は行える環境です。 一方で、固定電話が必要なチームや、郵送/紙運用が必要なチーム全員が在宅勤務可能というわけではありません。トータルでの利用実態としては各部門によってばらつきが大きい状態でした。

流行初期の対応(2020年1月~2020年2月)

しかしCOVID-19の出現によって、前提となる条件が変わってきます。 2020年に入り、弊社本社オフィス所在地である東京都でも感染者が確認され始めました。 陽性患者数の報告が出始め、定常的に報道されるようになった時期だと記憶をしています。 この時期に全社在宅勤務に切り替えた他社事例も参考にして、以下の2点を部門の事情に合わせながら実施する方針としました。

  1. 在宅勤務への切替
  2. 時差出勤の活用

これはお客様との打ち合わせ業務など、在宅勤務が難しい部署などもあったためです。 また体調不良者が発生した場合の対応として

  1. 毎朝の検温のお願い。オフィススペースにスピード体温計の設置
  2. 風邪のような症状が見られたら休むこと
  3. 発熱を伴う体調不良者が発生した場合、業務上携わっていたメンバーの14日程度の在宅勤務もしくは出社停止措置

以上の3点を取り決め、運用を開始しました。

感染拡大に伴う対応(2020年3月)

ここまでは、基本的に通常通りの運用を続ける方針を取り続けてきましたが、3月に入ると臨時休校が始まり、日次感染者数も徐々に増えるなど、さらなる変化が起こりはじめます。 このタイミングでさらなる状況の悪化を想定し、全社在宅勤務のテストを数日に渡って実施することとしました。テストのための準備として

  1. 在宅勤務実施にあたって不便が発生するメンバーへのサポート
    1. 自宅にインターネット環境がない場合のPocketWifi貸与
  2. 在宅勤務のガイドライン整備
    1. 作業環境の準備について
    2. 勤務開始時/終了時の運用方法
    3. 作業中のコミュニケーションのとり方
    4. 社内外会議開催時の運用方法
  3. 各部署在宅勤務時の問題点を改めてリストアップ
    1. 固定電話対応
    2. 往訪対応
    3. 郵便物 / 契約書 / 請求書等の紙運用

の3点について、把握・対応を進め、3月末にテスト実施を行うこととしましたが、その実施を次週に控えた時期に外出自粛要請が入ります。改めて対応のフェーズが変わったと判断し、即日全社を原則在宅勤務運用に切り替えました。

全社在宅勤務切替にあたっての運用変更点

テスト実施を待たずに在宅勤務に切り替えることになりましたが、いくつかの運用に手を入れるのみで、ほとんどの業務を在宅勤務で実施可能になりました。

  • FAX受信時のGoogle Driveへの自動保存
    • 弊社鈴木の ブログ で詳しく解説されています
  • 固定電話に対してのIPフォン/ソフトフォンの導入
  • 貸出機器の自宅への発送
    • ディスプレイ
    • 検証端末
    • etc...

郵便物や請求書対応などの一部紙運用関連業務は残っているものの、以上の3点で、ほぼすべての運用を対応させることができました。

全社在宅勤務切替後の発生する課題

全社在宅勤務は今までのオフィス勤務と環境が全く異なり、ストレスのかかり方も全く異なってきます。発生する問題については以下の様に対処を行っています(※ しかし、いくつかの問題は未解決のままです...)

定期的なアンケートの実施

在宅勤務時には様子が非常に見えづらくなってしまうため、上長が異変に気づけないケースも増えてくるのではと危惧をしています。そこで、

  1. 体調、気分の状況
  2. 健康管理面の工夫
  3. 生産性向上の工夫

の3つについてのアンケートを、人事部主導で週に1度金曜日に実施することで、カジュアルに異変を訴えることが出来るようにしています。

雑談がなくなる

在宅勤務の文脈でよく語られることですが、物理的な接触機会がゼロになることで、オフィスでの同僚とのすれ違い時や、ちょっとしたスペースで生まれていた雑談が生まれる機会が激減しました。より作業に集中出来るという側面がある一方、こまめなストレス解消の機会が奪われ、ストレスフルに陥りやすいと感じています。 雑談を生む仕掛けはまだ試行錯誤の最中ですが、在宅勤務前から実施していた会社費用負担のシャッフルランチを継続実施するなどの試行錯誤を続けています。

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※社内ブログの様子 とあるチームでは出前を取りつつ、地元自慢プレゼンをGoogle Meetで行うなどの工夫をしているようです。

自宅作業環境

こちらに関しては自宅の環境整備を行うほか無いため、一時金支給を行い各自で環境整備を行ってもらうこととしています。

環境が変わることによるマシンスペック要求の変化

支給端末は基本的にオフィスでのユースケースを中心として機器選定を行っています。ここで問題となるのが、高頻度、かつ長期間Web会議を実施するケースです。 MacBookを使用している場合にGoogle MeetやZoomのビデオ会議を長時間実施していると、端末の発熱や動作が重たくなるなど業務に支障をきたすケースの報告が増えてきています。

こちらに関しては今後の機器選定基準の見直しに加え、業務利用スマートフォンやタブレットがあればそちらで会議を行うようお願いしています。しかし、根本的な解決とはならないため、引き続き対処を検討している項目です。

今まで上げた3点以外にも、

  • 会議のやりづらさ
  • 人の雰囲気を感じ取りにくくなる
  • 往訪やインタビュー環境の再現
  • etc…

課題はまだまだ山積みです。

在宅勤務ガイドライン

これらの課題に対して全社で取り組むために、ガイドラインをブラッシュアップしながら運用しています。今まで数回収集したアンケート結果や、社内で生まれた知見を元に作成したものです。 以降のガイドラインは、CC0に基づき公開します。ご自由に再利用ください。

github.com

最後に

ここまで記載した内容は誰も経験がない中で、ロコガイド全社で議論を続けながら改善を積み重ねていった結果です。同じような悩みを抱える方の解決のヒントになりますと幸いです。 このような状況下ではありますが、ロコガイドではエンジニア全職種を始め、幅広く積極的に採用を続けています。コーポレートサイト、並びに採用情報サイトをご覧いただき、少しでも興味がある方はカジュアルにお話できると嬉しいです:-)